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赤い糸

 「赤い糸」には伝説がある。「運命的に出会った男女は、生まれた時から互いの小指が目に見えない『赤い糸』で結ばれている」。ロマンチックな話の起源は、日本最古の歴史書『古事記』に遡る。諸説の一つだ▼現代で糸といえば、中島みゆきさんの名曲を思い出す読者も少なくなかろう。四半世紀前の曲は無縁社会の世にも歌い継がれて、今やすっかり結婚式の定番となった▼歌詞が心に染みる。〈♪なぜめぐり逢うのかを 私たちはなにも知らない〉。なるほど、出会いはいつも偶然だ。しかし、〈♪縦の糸はあなた 横の糸は私 織りなす布は いつか誰かを 暖めうるかもしれない〉。偶然の出会いは実は必然であって、幸福な一対は誰かの暖となる▼高円宮家の三女絢子さま=東金市の城西国際大・研究員=と守谷慧さんが29日、結婚された。式後、報道陣に対し絢子さまは「多くの人に祝福してもらい、何と幸せなのか」と喜びを語った▼結婚の【結】は、編の【糸】と固くしめる意と音を示す旁の【吉】から成っている。この日、2人の運命の糸は固く結び合わされた▼結婚生活では〈逢うべき糸に出逢えた仕合わせ〉を紡ぎ、錦繍の布で私たちを暖めてくれるだろう。成田市出身の斉藤勇貴監督作『古都』(2016年)の終幕にも流れた名曲がまた鼓膜によみがえる。嫋々たる伝統の糸は後世につながっていく。

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映画「あいあい傘」

 『赤めだか』(扶桑社)という名随筆がある。著者は落語ファンなら誰もが知っている立川一門の談春さん(52)だ▼1984年、故立川談志に弟子入りした経緯から始まり、前座の苦労話が縷々つづられている。師匠との出会いは、上野・鈴本演芸場。「落語とは人間の業の肯定である」。客席の人だった中学卒業間近の談春少年の胸に、名言が突き刺さった▼修業とは矛盾に耐えること。落語と無関係の築地魚河岸へ早朝、働きに出される。破天荒な師匠の命令にぐっと我慢の子。そのかいもあって、話芸はむろん、眼技も備えた古典落語の名手となった▼さて近頃は本業の高座をちょいと留守にし、テレビでよくお見かけする。四角い大顔にワシのごとく鋭い双眸。落語素人の視聴者は「あの人だれ?」と気になる。顔面の圧倒的な存在感から、出演のお声が掛かるのだろう▼邦画『あいあい傘』(26日公開)では幸せな家庭を捨て、行方をくらました父を演じる。25年ぶりに娘と再会。奥深い失踪理由を丁寧にひも解く古典的演出で、涙腺を決壊させる人情劇だ▼談春さんの頭に「業の肯定」が浮かんだかも。人間生きていれば、清廉潔白とはいかぬ。うそをついたり、だましたりと、浮世の垢にまみれる。本作も落語同様、人の過ちを許す寛容さを持ち合わせる。それに反して、現実社会はますます狭量となっていく。

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第4次安倍改造内閣が本格始動

 稀覯本購入は、ネット社会の恩恵に浴す。数あるネット古書店で、所望の本を検索すれば一発ヒット。慢性の手元不如意ゆえ価格の安い順に並べ変え、値ごろな良書を注文する▼多くの本を入手してきたが、誤配は皆無だった。さすが日本人の几帳面な在庫管理と感心しきりだが、この度初めて注文とは別の本が届いた。『新日本大歳時記』(講談社)という立派な装丁の大型本で、『冬』編の箱の中に『春』編がちゃっかり収まっていた▼『大歳時記』は5巻組で、これから全巻をそろえる当方としてはちと具合が悪い。サイトの注文履歴から〈返品希望〉をクリック。間を置かずして、顧客応対センターからケータイに事情確認の電話が掛かってきた▼「この会話は録音されています」の音声案内はクレーマー対策だろう。続いて気弱そうな青年が出て、平身低頭(見えないので多分?)ひたすら謝る▼罵詈雑言を浴びせられた嫌な記憶が彼を萎縮させるのか。時刻は既に午後10時。気の毒になり「夜遅くまで大変ですね」と同情すると、教則通りの返答の声がようやく和らいだ▼本県から2人が初入閣した第4次安倍改造内閣が本格始動した。遅配しているアベノミクス果実の迅速な〝宅配〟が待たれる。超高齢化に伴う社会保障費の負担重圧など、電話の彼を含め若者が未来に希望を抱ける社会には程遠いのだから…。

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