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映画「29歳問題」

 ことわざ辞典を繰っていると、人は他人との比較の中で生きていることを再認識する。「隣の芝生は青く見える」の羨望は人の常だが、「隣の貧乏雁の味」までいくと底意地が悪い▼「羨」はふた文字の会意で、ごちそうを見てよだれを流すさまを表し、ひいて「うらやむ」の意となる。あまり褒められた格好ではない▼テレビ局の女性アナウンサーは、俗世間で「30歳定年説」がささやかれる。若さの美ぼうだけでチヤホヤされた年齢を過ぎて、進路の選択を主に周囲から迫られるゆえか。一見華やかな高いキャリアが、かえって邪魔になる▼香港映画『29歳問題』(公開中)の女性も、30歳の壁に正面衝突する。仕事も恋も順風満帆だが、漠然とした将来不安にさいなまれている。そんな時、同い年の女性の日記を読んで、おおらかな生き方を「羨」み、幸せであることへの自問自答を繰り返す▼アラサーの生態を熟知する同世代の女性監督は、昇進、結婚、親の介護と多くのキャリアウーマンが抱える問題で主人公を追い詰める。人生100年の長寿時代、生き方の選択肢は一つではなかろう。正解は神のみぞ知る▼「羨」むという行為は、本人は何も実行しない。人生においての優先順位は、仕事か家庭か趣味か。身の処し方の代償を支払うのは詰まるところ本人ゆえ、よだれを拭いてわが道を行けば、後悔も少なかろうぞ。

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史上初の米朝首脳会談

 人は他人と一定程度の間を空ける。人間は「非接触性動物」であり、あえて接触するには「愛情」や「信頼」などのわけがいる。人類行動学者・香原志勢さんの著書から引いた▼史上初の米朝首脳会談で両人が間を詰めて握手したのは、それ相応のわけがある。米国は完全非核化、北朝鮮は体制保証など、双方の思惑が複雑に絡み合って共同声明の署名に至った▼歴史的対面までには、紆余曲折があった。トランプ大統領が先月、唐突に会談中止を発表したが、今月になって一転した。この言動に世界が振り回された。いまの情報戦時代、朝令暮改の狡猾さは、政治家に必要な資質なのかもしれん▼会談の舞台シンガポールの島から遠く離れた房総半島の筆者には、一国のリーダーの駆け引きの妙など理解が及ばない。そこで両人の頭の中身を探りたくなる。国家運営方針は「脳のどこの知識から引き出されているのか」と▼まさか開頭するわけにはいかぬ。ならば第2の頭脳とされる書斎をのぞき見したい。財力をお持ちゆえ、多くの蔵書があってほしい。願わくば木造住宅の本の荷重限界値(1平方㍍当たり180?㌔)を超えるほどに▼それぞれ自国第一主義を形成していっただろう書物の中に、東アジアの平和に関する1冊でも見つければ、私たちとの間が「安心」で少しは縮まる。知性こそが人間の最後の砦と信じたいのだ。

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