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映画「洗骨」

 お笑い芸人というのは、意外な才能をお持ちだ。記憶に新鮮なところでは、漫才コンビの又吉直樹さんが小説『火花』(文春文庫)で、芸人初の芥川賞作家となった▼所属する芸能事務所よしもとクリエイティブ・エージェンシーは、10年ほど前からずいぶんと映画にお金を投じている。どケチで知られる興行師が斜陽産業になぜ? そこは関西商人のそろばん勘定が働いている▼『洗骨』(18日沖縄先行公開)は、又吉さんの先輩芸人、照屋年之さんが監督・脚本を手掛ける。愛妻の死の悲嘆から酒浸りの夫(奥田瑛二さん)と事情を抱える子女が、死者を弔う沖縄・粟国島の風習・洗骨によって…▼風習にすがる安易な着想、予定調和の展開と凡作評はひとまずおくとして、奥田さんのうらぶれ感には瞠目した。背が曲がりやせ細った老人特有の容姿で、泡盛を一気にあおる。まさしく独り堕落論であった▼さて、この手の地方発映画で儲けを出す骨法は①低ギャラ役者②現地エキストラ調達③観光スポット紹介などが挙げられる。長編監督デビュー作『南の島のフリムン』で興行失敗の苦杯をなめた男は、これらの鉄則を厳守する▼そして、一番大切なのが映画の2次利用。本作は洗骨について丁寧なせりふ説明付きで、学習教材としての転用も可能だろう。映画がコケても、ただでは起きん。げに恐ろしき、よしもと商魂!

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