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映画「スリー・ビルボード」

 ふだん温厚な会社員が、頭からカッカと湯気を立てていた。朝の通勤マイカーで一時停止を怠り、反則切符をきられたそうだ▼「何も隠れて待ち伏せしていなくても」と怒りは収まらない。交通取り締まりは事故防止が第一義だろう。ならば、停止線の前で違反しそうな車を止めるのが道理。一罰百戒の意味でもあるのか▼「市民の生命と財産を守る」。警察幹部の新任あいさつの常套句だが、前記のケースでは小市民から罰金という名で財産を没収する。実質賃金が伸び悩む中、多くの労働者は1万円を稼ぐのも大変だ▼交通法規は、順守しなければならない。当然、分かっている。しかし、納得のいかない交通取り締まりを特集した雑誌は、そのために周辺道路が渋滞し事故の危険性が増すと世論に訴えていた▼米国では警察の捜査態勢に疑問を感じていないのか。娘を暴行殺害された母が、3枚連作の巨大看板で捜査が進展しない所轄署を痛烈に批判。深紅の背景に黒々としたゴシック英文字が主張する。和訳は「(娘は)レイプされて死亡」「犯人逮捕はまだ?」「なぜ? 署長」▼映画『スリー・ビルボード』(公開中)の開巻シーンである。母の心境は「くだらん取り締まりをする暇があるなら、娘の捜査をせよ!」。警察権力に小市民が物申す。犯罪大国の地に凜と立つ看板から、母の血涙が流れているように見えた。

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