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映画「結婚」

 50歳まで一度も結婚をしたことのない人が、男性のほぼ4人に1人、女性のほぼ7人に1人。2015年の生涯未婚率は過去最高だったが、この犯罪は絶えない。いや独身が増えたことで、かえって隆盛なのか▼結婚詐欺師である。この罪の立件はかなり難しいらしい。事件記者時代に聞いた。海千山千の詐欺師が〈相手への思いは真実の愛だった〉と得意の二枚舌で弁明するゆえだ▼名優・大竹しのぶが好々爺をだまして財産を奪う『後妻業の女』(16年)は超高齢化社会を反映した佳作だが、やはり結婚詐欺師の本流は色男がうら若き女性の心を操り、金銭をむしり取るストーリーだろう▼思い出す。テレビドラマ『半沢直樹』で大ブレークした、堺雅人が実話の結婚詐欺師を演じた『クヒオ大佐』(09年)を。堺がハーフの米空軍パイロットを騙るゆえ、つけ鼻の変装のおかしみがあった▼邦画『結婚』(公開中)は、かつて鎌ケ谷市に暮らしたというディーン・フジオカが主役。当代一流の美形俳優はどこか影があって、その謎めきに女性はメロメロになる。作品のロケ地が流山、木更津市とあって、県民は感情移入しやすい▼教訓を一つ。いつまでも独り身でいれば、孤独から心に隙もできる。結婚して所帯を持つことを『身を固める』とは、言い得て妙。身辺防御が完璧なら、結婚詐欺の被害に遭う危険も少なかろう。

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滂沱の涙

 涙が滂沱とあふれた。夫の、姉の、家族の、そしてブログ愛読者の、頬を大粒の涙がとめどもなくつたって落ちた▼乳がん闘病中のフリー・アナウンサー、小林麻央さんが彼岸にわたった。まだ34歳の若さだった。歌舞伎俳優の市川海老蔵さんの妻として、2人の幼子の母として、心残りはたくさんあったことだろう。その無念を思うとき、涙を抑えきれない▼強い女性だった。いや強さを演じることで、くじけそうになる心を鼓舞していたのか。乳がん公表後の昨年9月から、赤裸々な闘病記などをつづったブログを始めた。同じ境遇に苦しむ患者にどれほどの勇気を与えことか。筆者も幾度となく読み、心の中で〈病気が治ってほしい〉と祈った▼「文章に善悪の区別、たしかにあり。面貌、姿態の如きものであろうか。宿命なり」。小説家・太宰治の言葉に照らせば、麻央さんの文章は容姿と心の澄み切った美しさを映していた。明鏡止水のように…▼人は生まれた瞬間から死に向かって歩んでいる。そんな摂理は分かっているが、あまりにも早すぎる死。「美人薄命」のことわざなど、裏切ってほしかった▼ブログの絶筆となった『オレンジジュース』。「皆様にも、今日 笑顔になれることがありますように」。細心鏤刻の生きた証しにまた涙が一粒落ちた。最期の言葉「愛してる」は、梨園の妻の貴女に多くの方から贈られる。

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映画「ドッグ・イート・ドッグ」

 〈三人寄れば文殊の知恵〉とは、凡人でも3人集まって考えれば、文殊菩薩のような知恵が出るとの意。文殊は知恵をつかさどる仏様である▼ところを米国に移し前科者の3人が寄り集まれば、奸知を巡らせる。洋画『ドッグ・イート・ドッグ』(公開中)は、ド直球の犯罪サスペンス。刑務所帰りの3人組が、ギャング団から高額報酬で請け負った赤ん坊誘拐にしくじり、暗黒の袋小路に追い込まれる▼3人組のリーダー役ニコラス・ケイジは、オスカー受賞の輝かしい経歴があるのに仕事をえり好みしない。B級作品にも喜々? として出演する。ゴシップ誌などを繰ると、懐が寂しいらしい。本当かしらん?▼残る2人のうち1人は、ウィレム・デフォー。オリバーストーン作『プラトーン』(1986年)の名演が今もまぶたに焼き付いているが、この強烈な性格俳優もいろんな作品に彫りの深い顔を出す▼日本では安倍首相の旗振りで、働き方改革が進められている。ざっくりと、労働の本質的な意味を考え直そうということだろう。〈人はパンのみにて生くるにあらず〉(マタイ福音書4章)。なるほど食費を稼ぐためだけの労働では、精神的な充足感は得られない▼しかし、自由業の俳優連にあすの保証はない。したがって来る仕事は拒まずと、働き詰めになる。物心両面のバランスを取るのは、なかなかに難しい。

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読書感想文

 「読んでから見るか 見てから読むか」。1970年代、角川書店が小説映画の一挙両ヒットを狙い生み出した名コピーである。『犬神家の一族』(横溝正史著)や『人間の証明』(森村誠一著)が一大ブームを起こした▼実話ベースの『海賊とよばれた男』(百田尚樹著、講談社文庫)に関して、筆者は後者の手順を踏んだ。つまり邦画を見てから、原作を読んだのである▼映画が多少、戯画的に描かれていたのに対し、小説はヒーローイズムが横溢する。戦後復興の動力源となった石油。欧米の石油メジャーを相手に、民族会社(出光興産)の店主が退路を断って戦う勇姿に胸が熱くなる▼読書は豊かな想像力を養うというのに、全国大学生活協同組合連合会の調査で、1日の読書時間が「0分」の大学生が約半数という。活字離れも、いよいよここまで深刻となったか▼そこで、『海賊-』を観賞済みという校閲部のアルバイト女子大生に原作本を貸した。彼女が近頃、高らかに読書宣言し、「でも何を読んだら…」と愚問を口にしたゆえだ▼一人の店員も馘首せずに一代で巨大産業を成した小説の店主は「人間尊重の信念を貫きとおした五十年であった」と経営方針を述懐する。労働者を使い捨てにするブラック企業がいまだ存在する経済大国で、来年に就活を控えた女子大生は何を思う? 読書感想文が楽しみである。

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