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映画「ラスト・ホールド!」

 映画評論家の柳下毅一郎さんはB級邦画を見続け、『皆殺し映画通信』(カンゼン)に酷評を書き連ねる。「なんでこんな映画が作られるのか!」と怒髪天を衝く▼邦画製作の流れとして、まずは客寄せ人気俳優のスケジュールありき。主役が決まっていて、脚本、監督の順番となるゆえ凡作が百出するらしい。映画は①筋(脚本)②ヌケ(映像)③役者の優先順位も、もはや過去の骨法なのだろう▼こういった〝映画考現学〟の観点から『ラスト・ホールド!』(公開中)は、現セオリーが成り立つ。アイドルグループ「A.B.C-Z」の塚田僚一さんを主役に据え、物語は2年後の東京五輪の便乗商法という安直な作り▼この大会から正式種目となるスポーツクライミングのボルダリングに、大学生役の塚田さんが挑戦する。照明効果とカメラ近撮の助けで「ミセキン」(見せる筋肉)を強調するが、芝居は笑いのツボをことごとく外して学芸会レベルだった▼実用的な競技の筋肉は背中につく。拳闘の名トレーナー、カス・ダマトが、世界ヘビー級王者となったマイク・タイソンの発達した広背筋に惚れた逸話でも知られる▼まぁアイドル映画と、大人の寛容さでホールド。しかし、まだまだマイナーなボルダリングの普及には微力ながら貢献するかも。欲の皮がつっぱらかった業界人の商魂はアスリート並みにたくましい。

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