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映画「セル」

 母親が幼子に、飛び降り自殺した船員の恐怖話をする。「体から流れ出したものは緑色だったわ」。ミっ、ミドリって、グロさに総毛立つ▼〈人が死ぬ瞬間を見たことある?〉と母に尋ねたのは、米モダンホラー小説家スティーヴン・キング。まだ5~6歳頃のことで、幼児から怪奇趣味の素養はあった。著書『小説作法』(アーティストハウス)から引いた▼デビュー小説『キャリー』は1976年に映画化。卒業パーティーで豚の血を浴びせられた少女の超能力が大暴走、いたずら生徒を〝私刑〟に処す。デ・パルマ監督の残虐演出が、強烈な印象を脳に刻んだ▼少年期のオカルト雑誌の耽読で、その萌芽を植えつけられた作家は怪物や幽霊などの古典的題材を現世に復活させた。方や新作映画『セル』(17日公開)は、現代人の必需品・携帯電話を悪魔の装置とする。通話中の電波信号感染で、米国人が凶暴化…▼作り話と笑ってばかりはいられまい。資料によると、携帯電話契約者は世界人口の約8割で、最大多数の日常通信手段となった。ところ構わず、スマホ操作に夢中。その一心不乱は感染症か?▼劇中、こんなセリフがあった。「ボブ・ディランも携帯人?」。まさかノーベル文学賞の歌手が依存症ではなかろう。あのちっぽけなIT機器に全て頼るほど、人間は幼稚ではない。活字中毒症は、そう信じてやまない。

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