So-net無料ブログ作成

物づくり日本

 物づくり日本の血脈は、まだ断たれてはいない▼東京・西日暮里の名所石段「夕焼けだんだん」を下り、狭い路地の商店街を抜けると偶然、「ウイニング」(文京区千駄木)を見つけた。知る人ぞ知るボクシング用品の老舗メーカーである▼日本ボクシングコミッション認定のグローブは、数多の名勝負を生んできた。アジア人で初めて世界主要4団体の6階級を制覇、5日の現役復帰戦で世界王座に返り咲いたマニー・パッキャオ(フィリピン)も練習のミット打ちなどで、同社製の緑色のグローブを使っていた▼手にはめた者は、しっかりと拳をホールドする優秀さに満足する。精巧な皮の縫製技術により長年使用しても、手入れさえ怠らなければ型崩れしない。値段は少々張るが、高品質は東南アジア製品と比べようもない▼同社HPに製作工程が掲示されており、下町の職人が責任をもって一つ一つ手作りしている。〈神は細部に宿る〉とは、芸術を語るのに用いる言葉だが、グローブ職人の技にも適当だろう▼毎月通う理髪店(千葉市)の30代店長の趣味が「レザークラフト」と聞き、馬蹄形の小銭入れを注文した。「裁断面を斜めに縫うのが難しい」とただ今、試行錯誤中。気長に待つつもりだ。駆け出し時代に商売道具のハサミセットに70万円も払った彼の器用な手先にも、物づくり日本の純血が脈々と流れている。

nice!(0) 
共通テーマ:blog

nice! 0