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映画「92歳のパリジェンヌ」

 老いは万物の定めである。この地球上に生きとし生ける者の全ての命は、やがて尽き果てる▼2015年の平均寿命は女性が87・05歳、男性が80・79歳で過去最高を更新。世界屈指の長寿国ゆえ、個々人でさまざまな死生観を持っている。〈死ぬ時ぐらい、好きなように〉。そう固く決意している方も少なくないだろう▼週刊誌が使った造語「終活」(終末活動)がブームになって久しい。人生の最晩年を迎え、延命治療や葬儀、相続などの希望を遺書にしたためる。それは来し方を振り返ることになる▼こうした身仕舞いは、超高齢化社会の先進国で共通している。仏映画『92歳のパリジェンヌ』(順次公開中)は主人公のおばあさんが、子孫に囲まれた誕生会で一大宣言をする。「2カ月後に私は(あの世に)逝きます」と▼主人公は多少、足が不自由なぐらいで、傍目に問題はない。しかし、本人いわく「もう疲れた」。高齢による容色、判断・記憶力の衰えで、生活に支障を来す。夜尿からオムツをはく情けなさ。気位の高いパリジェンヌは心で泣く▼家族は彼女が希望する尊厳死に猛反対するが…。本作は死とともに、人が生きる意味を間断なく問うてくる。ふと、「ラビアンローズ」という仏語が頭に浮かんだ。臨終の床で、「薔薇色の人生」だった。そう回顧できるのは、今を精いっぱい生きてきた人なのだろう。

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