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秋の満腹ツアー

 芸術より食欲の秋が勝る記者が、満腹ツアーをひとつ紹介する。山形・米沢を起点に栃木宇都宮まで車で南下し、名物料理の数々を胃の腑に収める旅だ▼米沢といえば、ご当地牛。初日の夕餉の席は、JR米沢駅前のステーキ店『東洋館』を選んだ。昔はサーロインを好んだが、齢五十も過ぎればヒレとなる。特選のそれは上質な脂が、地元産の渋い赤ワインとの相性よろしく、甘みがより際立つ▼翌朝は名物『牛肉どまん中弁当』を早弁したあと、福島喜多方までGO! 人気ラーメン店『坂内食堂』ののれんをくぐった。中華そばはシンプルな王道だが、料理人は50年以上の伝統を守り、ちぢれ麺、スープ、チャーシューで奥義を究める▼夜は栃木・宇都宮へ。餃子の町の代表店『みんみん』の行列に並んだ。待たされた分、餃子の味が増す。思わず「焼きと水(餃子)をもう一皿」と追加▼食べ物は「いろみか」という。「いろ」は見た目、「み」は味、「か」は香と価を表す。見て食べて、そのうえ価格に満足できれば、客は足しげく通う。前記3店は、この三拍子が揃っている▼三方が海の千葉で旬のサンマを外食しようとすれば、「か」に納得できる店が多くない。ようやく値頃感が出てきて、近所の魚屋で1尾40円前後なのに…。〈秋刀魚焼く匂ひの底へ日は落ちぬ〉(加藤楸邨)。名句を鑑賞し、家路を急ぐ。

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